昔、ある山村では、収穫の季節になると、全ての住民が山へと向かい、野菜や果物を収穫してきた。ある年もその季節がやってきて、村の者たちは山へと向かった。
彼らが山へ向かう途中、不思議な光景に遭遇した。山道の途中に、赤い花がひとところにまとまって咲き誇っていた。その花は見たことがないもので、誰もが驚きの声をあげた。
しかし、収穫の作業には影響がないため、彼らはその場を通り過ぎて山へと向かった。
夜になり、全ての収穫作業が終わった後、住民たちは山から下りてきた。しかし、先ほどまであった赤い花は消えており、その代わりに地面には深い穴が開いていた。
彼らは穴を覗き込むと、その中には先ほどまでの赤い花が変わり果て、血に染まったような液体が溢れていた。それと同時に、地面からは不気味な音が響き、彼らの足元から何かが引きずり込もうとする力を感じた。
恐怖に駆られた住民たちは、必死で逃げ出したが、何人かはその場で姿を消してしまった。以後、その山道は村の者たちにとって禁忌の場所となり、誰もが近づくことを避けるようになった。
- タイトル
消えた赤い花
- タグ
- 山花穴
- 投稿者
- S. A.
- 投稿日
- 2023-08-12